3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Artecを使ったARでの古代遺物と考古学的遺跡の歴史的保存

概要: スペシャリストたちは、スコットランドにある約2000年前のアントニン・ウォールや、ヨーロッパのさまざまな場所を3Dスキャンすることを決めました。

目的: 様々な遺跡やオブジェクトをポータブルな高解像度の3Dスキャナを使用して正確に詳細までスキャン。その後、ARアプリで使用するためリアルな3Dモデルに変換します。

利用ツール: Artec MHT、Artec Eva

デジタル・ドキュメンテーション&ビジュアリゼーション・センター(Centre for Digital Documentation and Visualisation)は、遺跡を電子データ化するイノベーティブなプロジェクトのためにHistoric Environment Scotland社とグラスゴー美術大学(The Glasgow School of Art)が協力して創立しました。このチームは、スコットランド10プロジェクト(Scottish Ten Project)のため、2011年に(Artecのゴールド認定販売代理店であるCentral Scanning社から購入した)Artec MHTスキャナを初めて導入まし、以降、スコットランドにあるUNESCO登録世界遺産や、ラッシュモア山やシドニー・オペラハウスなどを始めとする国外の世界遺産を保全、管理、分析に役立てるため3Dデータ化しています。

ここでは、400体以上のヒンドゥー教の神々の複雑な彫刻が砂岩に施されています。

すべての写真提供:Centre for Digital Documentation and Visualisation

このプロジェクトで電子データ化した1つの遺跡は、1000年も前に建設されたインドのグジャラート州にあるラーニー・キ・ヴァーヴ(階段井戸)です。これは、Artecスキャナの威力が真に発揮された最初のプロジェクトでした。この場所は、400体以上のヒンドゥー教の神々の複雑なレリーフが砂岩に施されています。プロジェクトチームは、地上設置型レーザースキャナで階段井戸とその周辺をスキャンする一方で、2週間かけて、MHTを使い、できるだけ多くの彫刻のディテールを高い解像度で記録しました。MHTはこの作業に最適なスキャナで、極めて詳細にデータをキャプチャしました。以降、MHTはこのチームに欠かせない3Dツールとなりました。ラーニー・キ・ヴァーヴでのチームの働きもあり、2014年にラーニー・キ・ヴァーヴがUNESCO世界遺産に登録された時には、チームは大喜びしました。

プロジェクトチームは、地上設置型レーザースキャナで階段井戸とその周辺をスキャンする一方で、2週間かけて、MHTを使い、できるだけ多くの彫刻のディテールを高い解像度で記録しました。

現在、デジタル・ドキュメンテーション&ビジュアリゼーション・センターはドイツとオーストリアのパートナーと組み、クリエイティブ・ヨーロッパ(Creative Europe)が出資する「Advanced Limes Applications(通称、ALApp)」プロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトでは、国境にまたがる世界遺産、ローマ帝国の国境線をとらえるため、スコットランドのアントニヌスの長城とドイツ・バイエルン州のラエティア・リーメスを中心に、高度モバイルアプリ向けデジタル技術とコンテンツを開発・配布しています。これらの遺跡は、いずれも、世界遺産であるローマ帝国の国境線の一部です。スコットランドでは、このプロジェクトのためにアントニヌスの長城に沿って、ベアーズデン、クロイ・ヒル、ダントチャー、キンネイル、ラフキャッスル、ワットリング・ロッジの6箇所でスキャン撮影をしました。一方、ドイツ・バイエルン州では、レーゲンスブルク近郊、アイニングの町の砦跡地を含む考古学的遺跡に集中して撮影しました。

MHTはこの作業に最適なスキャナで、極めて詳細にデータをキャプチャしました。

チームは、ローマ帝国の国境線最北端でインタラクティブな場所ごとの拡張現実アプリを開発するためのALApp プロジェクトの一環として、アントニヌスの長城やドイツのリーメスオブジェクトを体系的に記録しています。クリエイティブ・ヨーロッパの出資により、新しいコンテンツは2、3年のうちにアップロードされるでしょう。一方、これらの場所に関する説明が閲覧できるアプリ自体は、Google Play / iTunesから無料で既にダウンロード可能です。

このプロジェクトの一環として、最近、チームはミュンヘンにある美術館に展示されている美しいマルスとビーナスの像も電子データ化しました。

このアプリでは、ローマ帝国跡地で発掘された遺物のインタラクティブな3Dモデルや再現を楽しめます。ユーザーはこれらを俯瞰で観たり、ズームしたり、回転させたり、遺跡の説明文を読んだりすることができます。美術館の展示品を3Dでキャプチャするために、センターはArtecのストラクチャードライトスキャナと電子写真測量器を使用しました。センターはスキャナをArtec Evaシステムにアップグレードしていたため、データ品質、持ち運びやすさ、使いやすさを大幅に向上させていました。また、Evaにバッテリーパックを取り付けたため、電源がない場所でもスムーズにスキャンすることができます。このプロジェクトの一環として、最近、チームはミュンヘンにある美術館に展示されている美しいマルスとビーナスの像も電子データ化しました。こうしてキャプチャした3Dモデルをアプリに取り込むことで、遺物を発掘された場所に電子的に戻すことができます。拡張現実コンテンツの開発を手がけるオーストリアのパートナー、EduFilm社により、ユーザーは、遺跡を訪れた際にリアルタイムで3Dモデルを取り入れた拡張現実を体験することができます。場所ごとの拡張現実トリガーを使うことにより、3Dモデルが遺跡上に表示されるので、その場所についての理解を深めることができます。この機能は来年リリースされる予定です。

Historic Environment Scotland社は、現在、Artecスキャナを使って作成した3DモデルをSketchfab上にアップロードし、一般に共有しています。

アントニヌスの長城の遺構の3Dモデル

デジタル・ドキュメンテーション&ビジュアリゼーション・センターのデジタル・ドキュメンテーション・マネージャであるリン・ウィルソン博士は、「Artec 3Dのスキャナとソフトウェアにより、文化遺産と遺物の3Dモデルを素早く正確に作成し、ネット上で共有することができました。Artec 3Dでキャプチャしたデータにより、歴史に命を吹き込むことが可能になりました!」とコメントしています。

デジタル・ドキュメンテーション&ビジュアリゼーション・センターは、引き続き、Central Scanning社と提携し、Artec 3Dスキャナを今後も活用していくつもりで、さらに性能の高いArtec Leoを今後試すのを楽しみにしています。

デジタル・ドキュメンテーション&ビジュアリゼーション・センターのデジタル・ドキュメンテーション・マネージャであるリン・ウィルソン博士が書いたケーススタディ

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